起業・ビジネス

コミュ力≠対話力 | ビジネスで売れる人の対話術

「人と話すのは得意なのに、なぜか売れない」

こんにちは、有田絵梨です。

私はこれまで多くの女性起業家さんの個別相談を受けてきました。その中で、共通して聞こえてくる言葉があります。

「人と話すのは得意なんです」 「コミュニケーションには自信があります」 「でも、なぜか契約につながらないんです…」

もしかしたら、あなたも同じように感じていませんか?

実は、「人と話すのが好き=コミュ力がある」ということと、「ビジネスで売れる」ということは、まったく別物なんです。

この記事では、対話とコミュニケーションの違いを明確にしながら、ビジネスにおける「売れる対話力」とは何かを深掘りしていきます。この記事を読むことで、あなたのコミュニケーションがなぜ成約につながらないのか、その理由が見えてくるはずです。


個別相談で見えた「売れない理由」

これまでの個別相談で、本当に素敵な起業家さんたちにたくさん出会ってきました。明るくて、人当たりが良くて、話していて楽しい方ばかり。

でも、ビジネスの話になると、こんな悩みが次々と出てくるんです。

「お客様と仲良くなるんですけど、買ってもらえないんです」 「長々と話してしまって、結局何も決まらないことが多くて…」 「素の自分で話しているのに、なぜか契約に結びつかない」

ここに、大きなヒントが隠されていました。

人と話すのが好き=コミュ力はある。でも、それが売れるとは限らない。

なぜなら、ビジネスにおける対話力は、コミュ力とはまったく違うスキルだからです。


対話とコミュニケーションは何が違うのか?

一般的な定義から見る違い

まず、「コミュニケーション」と「対話」の違いを整理しましょう。

コミュニケーションとは、「社会で暮らす人が互いに意志や感情、思考を伝え合うこと」です(参考:健康・生きがい開発財団『AD スキルⅣ:対話・対話力』)。つまり、情報を交換したり、気持ちを共有したりすることが目的です。

一方、対話とは、「向かい合って話し合うこと」であり、「意見交換を通じてお互いを深く理解し、信頼関係を築くためのコミュニケーション」です(参考:TCA「対話と会話の違い、効果的なコミュニケーションとは?」)。

つまり、コミュニケーションは「伝え合うこと」全般を指すのに対し、対話は「深く理解し合い、新たな気づきや解決策を生み出すこと」を目的としているんです。

学術的にも、対話(ダイアローグ)は「互いの立場や意見の違いを理解し、そのずれをすりあわせることを目的に行うもの」とされています(参考:株式会社ソフィア「対話とは?対話が必要な理由や対話を行うポイント」)。

友達との楽しいおしゃべりは「コミュニケーション」。 でも、お客様の本質的な悩みを引き出し、解決策を導くのは「対話」。

この違い、見えてきましたか?


ビジネスにおける「対話力」の本質

では、ビジネスにおける対話力とは、具体的にどんなスキルなのでしょうか。

私が対話力プログラムで伝えているのは、次の3つのポイントです。

1. 無駄な話をしない

友達との会話では、話が脱線しても、長くなっても、それが楽しさにつながります。

でも、ビジネスの対話では違います。

お客様の時間は限られています。限られた時間の中で、お客様の本当の悩みを引き出し、最適な解決策を提示する。そのために、無駄な話を削ぎ落とし、本質にフォーカスする力が求められます。

2. 限られた時間でしっかり導く

ビジネスにおける対話は、ただ話を聞くだけではありません。

お客様が自分でも気づいていない課題を明確にし、「これが解決策だ」と納得していただく。そのプロセスを、限られた時間の中で、しっかりと導く力が必要です。

これは、友達との会話のように「なんとなく盛り上がって終わる」ではなく、ゴールに向かって意図的に対話を進める力です。

3. 素のあなたで売り手として立たない

ここが、多くの起業家さんが勘違いしているポイントです。

「素の自分で話せば、信頼してもらえるはず」 「ありのままの自分を出せば、お客様にも伝わるはず」

確かに、親しみやすさは大切です。でも、ビジネスにおける売り手としての対話は、パフォーマンスなんです。


ビジネスにおける売り手としての対話はパフォーマンス

これを聞いて、「え?演技するってこと?」と思った方もいるかもしれません。

いいえ、嘘をつくということではありません。

パフォーマンスとは、「買い手を楽しませる」「買い手に価値を感じてもらう」ための意図的な振る舞いです。

友達との会話では、素の自分で、自分の話したいことを話しても問題ありません。でも、ビジネスの対話では、主役はお客様です。

お客様が求めているのは、あなたの素の姿ではなく、「この人なら私の悩みを解決してくれる」という確信です。

だからこそ、売り手としての対話では、次のことが求められます。

  • お客様が安心して話せる空気を作る
  • お客様の話を深く聴き、本質を引き出す
  • 専門家としての知識と経験をもとに、最適な提案をする
  • お客様が「この人から買いたい」と思える信頼を築く

これらは、素の自分で友達と話すコミュニケーションとは、まったく異なるスキルです。


「コミュ力」だけでは一発屋で終わる理由

「でも、コミュ力があれば、お客様と仲良くなれるし、それで十分じゃないですか?」

そう思う方もいるかもしれません。

確かに、コミュ力があれば、お客様と仲良くなることはできます。でも、それだけでは一発屋で終わってしまうんです。

なぜなら、コミュニケーションだけでは、お客様の本質的な課題を解決できないからです。

一時的に契約を取れたとしても、お客様が成果を出せなければ、リピートにはつながりません。紹介も生まれません。

一方、対話力がある人は、お客様の本質的な悩みを引き出し、しっかりと導くことができるため、お客様が成果を出しやすくなります。

その結果、リピートや紹介が生まれ、「売れる」から「売れ続ける」フェーズにステップアップできるんです。


売れ続けるために必要な対話力とは

では、どうすれば対話力を身につけることができるのでしょうか。

ここで大切なのは、対話力は学べるスキルだということです。

生まれ持った才能ではありません。誰でも、正しい方法で学び、実践を重ねることで、身につけることができます。

対話力を磨くために、まず意識してほしいのは次の3つです。

1. 相手の話を「聴く」力

ただ聞くのではなく、相手の言葉の奥にある感情や本音を引き出す「傾聴力」が必要です。

2. 本質を見抜き、導く力

お客様が話してくれたことの中から、本当の課題を見つけ出し、解決策を示す力です。

3. 信頼を築くプロとしての姿勢

素の自分ではなく、「この人は信頼できる」と感じてもらえるプロフェッショナルとしての在り方です。

これらは、日々の実践の中で磨かれていきます。

この辺りは著書「おうちコンサルタントの始め方」でもお話ししています。

おうちコンサルタントの始め方 / 有田絵梨 【本】

地道に対話力を磨くことの重要性

私がいつもお伝えしているのは、「今やっていることを丁寧に取り組むこと」の大切さです。

一発で結果は出ません。

「対話力を身につければ、すぐに売れるようになる」という魔法はありません。

でも、地道に対話力を磨き、お客様との信頼関係を一つひとつ積み重ねていくことで、確実に「売れ続ける人」になっていけます。

結果が出ないからと新しいものに飛びつくのではなく、本質的なスキルである対話力を、丁寧に磨いていく。

これこそが、SNSに振り回されず、長く愛されるビジネスを築く秘訣です。


まとめ:コミュ力と対話力は別物。売れるために必要なのは対話力

今回の記事のポイントをまとめます。

  • 人と話すのが好き=コミュ力があると、ビジネスで売れる=対話力があるは別物
  • コミュニケーションは情報を伝え合うこと、対話は深く理解し合い、解決策を生み出すこと
  • ビジネスにおける対話力は、無駄な話をせず、限られた時間で導き、パフォーマンスとして買い手を楽しませるスキル
  • 素の自分ではなく、プロとしての姿勢で対話することが、信頼と成約につながる
  • 対話力は学べるスキルであり、地道に磨くことで**「売れ続ける人」**になれる

対話力を身につけることは、一朝一夕ではできません。

でも、正しい方向性で学び、実践を重ねることで、確実にあなたのビジネスは変わっていきます。


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  • この記事を書いた人

有田 絵梨

青山学院大学 経営学部卒
ブライダル・アパレル業界を経て結婚を機に退職。2017年6月フリーランスWebデザイナーとして活動を開始。2019年頃からコンサルティング業務をメインとし、2020年に法人化、これまで300名以上の女性経営者のWeb集客をサポート。

■夫・9歳の娘・愛犬との3人1匹家族
■趣味:ジャズダンス・ホットヨガ

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