個人事業主や女性起業家に、ホームページは必要なのでしょうか。
SNSで発信できる時代に、わざわざ費用や時間をかけてホームページを作る必要があるのか。
ホームページを作れば、本当に集客できるのか。
すでにホームページを持っているけれど、ほとんど更新できていない。
そんな疑問や悩みを持つ方も多いと思います。
最初に、私の考えをお伝えします。
個人事業主にとってホームページは、サービスを紹介して集客するためだけの場所ではありません。
自分がこれまで経験してきたこと。
今、大切にしていること。
仕事やお客様に対して考えていること。
これから、どのような人と出会いたいのか。
それらを自分の言葉でWeb上に残し、価値観に共感してくれる人と出会うための場所でもあります。
ただし、ホームページという箱を作っただけで、理想のお客様が集まるわけではありません。
大切なのは、ホームページの中に自分の言葉を積み重ね、継続して育てていくことです。
個人事業主にホームページは必要ですか?
個人事業主がビジネスを続けていくのであれば、私はホームページを持つことをおすすめしています。
ただし、その理由は「ホームページを作れば自動的に集客できるから」ではありません。
ホームページには、主に次のような役割があります。
- 自分やサービスについて詳しく伝える
- お客様が安心して検討できる情報を用意する
- 検索から見つけてもらう
- SNSでは伝えきれない思いや背景を伝える
- ブログや実績、お客様の声を蓄積する
- お申し込みまでの流れを分かりやすくする
- 自分の価値観に共感する人と出会う
SNSのプロフィールや投稿だけでは、サービスの全体像や、提供している人の考え方まで十分に伝えきれないことがあります。
ホームページがあることで、お客様は自分のペースで情報を読み、申し込むかどうかを判断できます。
つまり、ホームページは事業者が一方的に売り込む場所ではなく、お客様が安心して自分との相性を確かめる場所でもあるのです。
ホームページを作れば集客できる、とは限らない
「集客のためにホームページを作りたい」
というご相談を受けることがあります。
しかし、ホームページを公開しただけで、お客様が自然に集まるわけではありません。
ホームページを作っても集客につながらない主な理由は、次のようなものです。
誰に向けたホームページなのか分からない
複数のサービスを掲載していても、誰に何を届けたいのかが曖昧であれば、訪れた人は自分に関係のあるサイトなのか判断できません。
「私はいろいろなことができます」と伝えるだけでは、お客様にとっての価値は伝わりにくいものです。
大切なのは、
- どのような人に見つけてほしいのか
- その人は何に悩んでいるのか
- 自分はどのような変化を提供できるのか
を明確にすることです。
サービスの説明しか掲載していない
料金、期間、内容、申し込み方法。
これらはもちろん必要です。
しかし、サービス案内だけでは、その人にお願いしたい理由までは伝わりません。
同じようなサービスが複数ある中で、お客様が知りたいのは、
「なぜ、この人はこの仕事をしているのか」
「どのような考えでお客様と向き合っているのか」
「私の悩みを理解してくれそうか」
という部分です。
サービスの内容だけでなく、提供している人の経験や価値観が見えることで、初めて違いが生まれます。
公開したあとに更新していない
ホームページは、完成したら終わりではありません。
ビジネスを続けていれば、考え方もサービスも、お客様に伝えたいことも変化します。
数年前に作ったプロフィールやサービス案内を、そのまま掲載し続けていると、現在の自分との間にズレが生まれます。
ホームページは、一度完成させるものではなく、今の自分に合わせて育てていくものです。
SNSがあるのに、ホームページは必要?
InstagramやThreadsなどのSNSがあれば、ホームページは必要ないと考える方もいるかもしれません。
しかし、SNSとホームページでは役割が違います。
SNSは、まだ自分を知らない人に存在を知ってもらったり、日常的に接点を持ったりすることに向いています。
一方、ホームページは、自分の情報や言葉を整理し、蓄積することに向いています。
SNSの投稿は、基本的に時間とともに流れていきます。
投稿した直後は多くの人に見られても、数週間、数カ月と時間が経つと、過去の投稿は見つけてもらいにくくなります。
その点、ホームページやブログの記事はWeb上に残ります。
数カ月後に検索から見つけてもらうこともあれば、数年前の記事を読んでもらうこともあります。
どの記事の、どの一文を、誰が、いつ見つけるかは分かりません。
だからこそ、自分の経験や考えを、流れていく投稿だけで終わらせず、ホームページにも残しておくことが大切です。
SNSには書けないことを、ブログには書ける
私は、自分の思いや考えを、何でもSNSに書けるわけではありません。
たとえばThreadsのように、不特定多数の人の目に触れる場所。
前後の文脈を知らない人にも短い文章だけが届く場所では、
「批判されるかもしれない」
「意図とは違う受け取られ方をするかもしれない」
「変なコメントがつくかもしれない」
と、少し身構えてしまいます。
誰かを否定したいわけでも、議論をしたいわけでもありません。
ただ、自分が感じたことを、自分の言葉で書きたいだけです。
それでもSNSでは、周りの反応を考えて表現を薄めたり、無難な言葉に置き換えたり、書くこと自体をやめたりすることがあります。
ブログは少し違います。
タイトルを見て、読みたいと思った人が、自分の意思で記事を開いてくれます。
短い一部分だけではなく、前後の文脈を含めて読んでもらえます。
ブログは、誰にでも無理に届ける場所ではありません。
自分の記事を読みたいと思った人が訪れる場所です。
だから私は、SNSよりも周囲の反応を気にせず、自分の思いや考えを率直に書くことができます。
ホームページは、集客のためだけの場所ではない
ホームページを集客のための営業ツールとして考えることは、間違いではありません。
しかし、今の私は、ホームページをそれだけのものだとは考えていません。
ホームページは、
自分の思いや考えを、自分の言葉でWeb上に残す場所
でもあります。
日常の中で何気なく思ったこと。
お客様との対話で気づいたこと。
過去の経験と、今の仕事がつながった瞬間。
以前とは考え方が変わったこと。
仕事や家族、自分の人生について感じていること。
完成されたノウハウでなくても構いません。
きれいな結論が出ていなくても構いません。
日記を書くように、今の自分の考えを書き留めていく。
その一つひとつが、自分という人を伝える情報になります。
そして、その言葉を読んで、
「この人の考え方が好き」
「私がうまく言葉にできなかったことを、表現してくれている」
「この人なら、私のことを分かってくれそう」
と思ってくれた人が、未来のお客様になることがあります。
私が理想のお客様に囲まれている理由
ありがたいことに、今の私は、理想のお客様だと思える方々に囲まれて仕事をしています。
価値観が近く、話が通じる。
サービスの表面的な部分だけではなく、私が大切にしている考え方まで理解してくださる。
私自身も、無理をして相手に合わせる必要がありません。
それは、私に特別な集客テクニックがあるからではないと思っています。
私はこれまで、自分が何を大切にしているのか。
何に違和感を持つのか。
仕事やお客様に対して、どのような姿勢で向き合っているのか。
それらを包み隠さず、発信してきました。
サービスに直接関係する内容だけではありません。
何気ない日常や、家族との出来事から考えたことも書いています。
その文章を何本も読むことで、お客様は申し込む前から、私がどのような人なのかを知ってくれます。
そして、自分に合うかどうかを判断してくれます。
サービスを購入したあとに相性を確認するのではなく、ブログを読んでいる段階で、お互いの価値観が合うかどうかがある程度分かるのです。
だから、実際にお会いしたときには、すでに価値観の近い方が目の前にいるのだと思います。
理想のお客様を引き寄せるのは、ホームページではなく自分の言葉
ここで注意したいのは、ホームページという箱を作るだけでは、理想のお客様は集まらないということです。
どれだけ美しいデザインでも。
どれだけ申し込み導線が整っていても。
どれだけ便利な機能があっても。
中に入っている言葉が、どこかで見たような表現ばかりであれば、その人自身は伝わりません。
たとえば、
「自分らしく」
「理想の未来へ」
「一歩踏み出す」
「あなたらしい働き方」
という言葉。
どれも悪い表現ではありません。
しかし、多くの人が同じ言葉を使っているため、それだけでは、その人が実際に何を経験し、何を考えているのかまでは分かりません。
理想のお客様を引き寄せるのは、ホームページそのものではありません。
ホームページの中に積み重ねられた、その人自身の言葉です。
ありのままに書けば、心に響くわけではない
「ブログには、ありのままの自分を書けばいい」
と聞くと、思ったことをそのまま書けばよいように感じるかもしれません。
しかし、ありのままに書くことと、考えずに書くことは違います。
自分の中には、確かに思いがある。
伝えたいこともある。
でも、それを表す言葉が見つからない。
言葉の引き出しが少なければ、誰もが使っている表現に頼ることになります。
自分の思いや経験を、自分にしか書けない言葉で伝えるためには、言語化する力を育てる必要があります。
私は、最初から文章を書くことが得意だったわけではありません。
特別な言語化の才能があったとも思っていません。
ただ、販売員として働いていた頃から、言葉の引き出しを増やし続けてきました。
同じ商品を説明する場合でも、お客様によって響く言葉は違います。
何に価値を感じるのか。
何に迷っているのか。
どのような言葉をかけると、表情が変わるのか。
目の前のお客様を見ながら、伝え方を変え続けてきました。
その経験が、今の発信にもつながっています。
言葉の引き出しは、対話によって増えていく
一人でパソコンに向かって、
「自分の強みを言語化しよう」
「サービスの魅力を書こう」
と考えても、なかなか言葉が出てこないことがあります。
自分の頭の中にある言葉だけで考えるため、いつも同じところを回ってしまうからです。
人と対話をすると、自分にはなかった視点が入ります。
自分では当たり前だと思っていた経験が、誰かにとっては大きな価値だと分かることもあります。
何気なく話した一言に、
「今の言葉、とてもよかったです」
と言われ、初めて自分の言葉として認識することもあります。
現在、Preshine LabのメンバーやWebスタイリング講座の受講生も、水曜と金曜のグループコンサルや講座で、頭の中にあることをどんどん言葉にしています。
話す。
問いかけられる。
もう一度考える。
別の言葉にしてみる。
この繰り返しによって、自分の言葉の引き出しが少しずつ増えていきます。
ホームページを作ることと、言葉を育てることは切り離せません。
箱を作り、その中に入れる言葉も一緒に育てていく。
その両方があって初めて、「この人にお願いしたい」と思ってもらえるホームページになります。
SEOとAEOを意識するなら、本人にしか書けない情報を残す
と言いながらも、Web集客コンサルタントとして、集客ブログやホームページの話も少ししておきます。
SEOとは、検索エンジンを通して、必要な人にページを見つけてもらいやすくするための取り組みです。
AEOは、検索結果だけでなく、AIによる回答でも自分の情報が理解・参照されやすい状態を整える考え方として使われています。
SEOやAEOを意識すると、
「検索されるキーワードを入れなければ」
「AIに引用される形で書かなければ」
と、技術的なことばかりに目が向くかもしれません。
しかし、検索やAIのためだけに、似たような記事を量産することが正解ではありません。
Googleは、検索順位を操作するためのコンテンツではなく、人の役に立つ、信頼できる「ユーザー第一」のコンテンツを重視すると案内しています。AI検索機能についても、基本となる考え方は従来のSEOと共通しており、役立つ独自の内容を作ることが推奨されています。(Google for Developers)
SEOやAEOのためにも重要なのは、
- 実際に経験したこと
- お客様との対話から得た気づき
- 自分なりの見解
- 具体的な事例
- 誰に何を伝えたいのかが分かる文章
- 質問に対する明確な回答
をWeb上に残すことです。
一般的な情報だけではなく、本人にしか書けない一次情報があるからこそ、その記事を読む意味が生まれます。
SEO記事と日記のようなブログは、どちらを書くべき?
結論としては、どちらも必要です。
SEOを意識した記事
検索する人の疑問や悩みに、分かりやすく答える記事です。
たとえば、
- 個人事業主にホームページは必要なのか
- SNSとホームページの違い
- ホームページを作っても集客できない理由
- ブログには何を書けばよいのか
- サービスの価格をどのように決めるのか
など、検索する人が知りたいことに答えます。
自分の思いや考えを書く記事
検索キーワードだけを起点にせず、日常で感じたことや、自分の価値観を自由に書く記事です。
たとえば、
- お客様との会話で気づいたこと
- 仕事を続ける中で変わった考え
- 家族との出来事から感じたこと
- 過去の経験と今の仕事がつながったこと
- 世の中で当たり前とされていることへの違和感
などです。
SEO記事は、まだ自分を知らない人と出会う入り口になります。
思いや考えを書く記事は、自分を深く知ってもらい、共感してもらう役割を持ちます。
この二つを同じホームページの中に蓄積することで、検索から訪れた人が別の記事も読み、
「この人の考え方が好き」
「この人に相談してみたい」
と思う流れが生まれます。
ホームページやブログには何を書けばいい?
ブログに何を書けばよいか迷ったときは、次のテーマから考えてみてください。
お客様からよく受ける質問
実際に聞かれる質問は、ほかの人も疑問に思っている可能性があります。
質問に対する自分なりの回答を、一つの記事にします。
お客様との対話で気づいたこと
個人が特定されないように配慮しながら、対話を通して自分が考えたことを書きます。
お客様の発言を紹介するのではなく、自分の中に生まれた気づきを中心にすると書きやすくなります。
過去の経験
今の仕事に直接関係がないように見える経験も、現在の価値観やサービスにつながっていることがあります。
会社員時代、子育て、転職、失敗した経験などを、今の視点から振り返ります。
自分の考えが変わったこと
以前は正しいと思っていたけれど、今は違う考えを持っている。
その変化には、その人にしか書けない経験が含まれています。
日常の中で感じた違和感
なぜか心に引っかかったことは、自分の価値観を知る入り口になります。
「なぜ私はそう感じたのだろう」
と考え、言葉にしてみましょう。
ホームページを育てる5つの手順
1.どのような人と出会いたいかを決める
最初に考えるのは、掲載するページやデザインではありません。
自分は、どのような人の力になりたいのか。
どのような価値観を持つ人と仕事をしたいのか。
まずは、出会いたい人を言葉にします。
2.自分が大切にしていることを言語化する
サービスの特徴だけでなく、なぜその仕事をしているのか、何を大切にしているのかを考えます。
ここが曖昧なままでは、ホームページの文章も抽象的になります。
3.必要な情報を分かりやすく掲載する
思いや考えだけでは、お客様は申し込めません。
サービス内容、料金、対象者、申し込み方法など、検討に必要な情報も分かりやすく掲載します。
4.ブログに言葉を蓄積する
完成された記事だけを書こうとせず、日常の気づきも少しずつ残します。
記事が増えるほど、自分がどのような人なのかが伝わりやすくなります。
5.検索される記事と、共感される記事を両方育てる
SEOを意識した記事だけでも、自分の思いだけを書いた記事だけでもありません。
検索される情報と、価値観が伝わる言葉。
この両方を積み重ねることが、理想のお客様との出会いにつながります。
ホームページは、完成品ではなく育てるもの
ホームページを作るとなると、
サービスを固めてから。
肩書きを決めてから。
実績が増えてから。
発信の軸が定まってから。
と考える人もいます。
しかし、人もビジネスも変化します。
今の考えが、数年後もまったく同じとは限りません。
サービスが変わることもあれば、出会いたいお客様が変わることもあります。
ホームページは、完成した自分を展示する場所ではありません。
これまでの自分。
今、大切にしていること。
これから向かいたい方向。
それらを、そのときの言葉で残しながら育てていく場所です。
最初から完璧な文章や世界観が完成していなくても構いません。
対話し、考え、言葉にする。
そして、ホームページに残していく。
その積み重ねによって、その人にしか作れない場所になっていきます。
まとめ|ホームページは、理想のお客様と出会うために自分の言葉を育てる場所
個人事業主にとってホームページは、集客や売上のためだけのものではありません。
自分の経験や思い、考えをWeb上に残し、その価値観に共感する人と出会うための場所でもあります。
SNSでは書きにくいことも、ブログなら文脈を含めて丁寧に伝えられます。
公開した記事はWeb上に残り、数カ月後、数年後に検索やAIを通して見つけてもらえる可能性があります。
ただし、ホームページという箱を作るだけでは、理想のお客様は引き寄せられません。
その中に自分の言葉を積み重ねること。
そして、自分の言葉を育てるために、日々考え、対話し、言語化を続けること。
検索のためだけに書くのでも、売るためだけに書くのでもありません。
自分の思いや考えを残した結果として、共感する人が集まってくる。
それが、私が考えるこれからのホームページ活用です。
よくある質問
個人事業主にホームページは必要ですか?
継続してビジネスを行うのであれば、ホームページを持つことをおすすめします。サービスの詳細を伝えるだけでなく、実績やブログ
SNSだけで集客することはできますか?
SNSだけで集客できる場合もあります。ただし、SNSの投稿は時間とともに流れやすく、情報を体系的に伝えることには向いていません。SNSを知ってもらう場所、ホームページを詳しく理解してもらう場所として併用すると、それぞれの特徴を生かせます。
ホームページを作れば集客できますか?
ホームページを公開しただけで、自動的に集客できるわけではありません。誰に何を届けるのかを明確にし、必要な情報を掲載し、ブログなどを通して継続的に言葉を蓄積する必要があります。
ブログには何を書けばよいですか?
お客様からよく受ける質問、対話から得た気づき、過去の経験、自分の考えが変わった出来事、日常で感じた違和感などを書きます。すべての記事をサービスの紹介や申し込みに直結させる必要はありません。
SEO記事と日記のような記事は、どちらを書くべきですか?
両方を書くことをおすすめします。SEO記事は検索から新しい人と出会う入り口になり、思いや考えを書く記事は、自分の価値観を深く理解してもらう役割を持ちます。
AEOを意識したブログ記事とは何ですか?
質問に対する結論が分かりやすく、見出しごとに内容が整理され、経験や具体例などの独自情報が含まれている記事です。AIのためだけに文章を作るのではなく、まず読者の疑問に明確に答えることが重要です。Googleも、AI機能に対して特別な別施策を行うより、従来のSEOの基本と、役立つ独自のコンテンツを重視するよう案内しています。(Google for Developers)
AIでブログを書いてもSEOやAEOに効果はありますか?
AIを使ったこと自体で評価が決まるわけではありません。重要なのは、読者にとって役立つか、正確か、本人の経験や見解が含まれているかです。AIに文章の整理を手伝ってもらいながら、自分の経験や考えを加え、自分の言葉として完成させることが大切です。Googleも、コンテンツの制作方法ではなく、品質や有用性を重視する考え方を示しています。(Google for Developers)