「見込み客リストは、ビジネスの資産になる」
Webマーケティングを学んだことがある方なら、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
私自身も、これまでビジネスコンサルタントとして、その大切さをお伝えしてきました。
実際にメールマガジンやLINE公式を活用し、合わせて1,000名以上の方にご登録いただいてきました。
そんな私ですが、2026年11月末をもって、メールマガジンとLINE公式からの一斉配信を終了することにしました。
なぜ、これまで積み上げてきた見込み客リストを手放すのか。
今日は、その理由を少し詳しく書いてみようと思います。
忘れられないための仕組み。それが集客導線の基本だった
マーケティングでは、よくこんなことを言います。
「お客様は、あなたのことを忘れてしまう」
どれだけ興味を持っていただいても、日々の暮らしの中で、その存在は少しずつ記憶から薄れていきます。
だからこそ、定期的に情報をお届けし、必要なときに思い出していただける仕組みをつくる。
LINE公式やメールマガジンは、まさにそのための有効な手段です。
SNSの投稿を見てもらえるのを待つだけでなく、こちらから情報を届けられる。
いわゆるプッシュ型のマーケティングです。
私自身もその仕組みを活用してきましたし、クライアントにも集客導線のひとつとして提案してきました。
そして、その考え方は今も変わっていません。
これからも、クライアントのビジネスに必要であれば、LINE公式やメールマガジンの活用を提案していきます。
ただ、ひとつ変わったことがあります。
それは、今の私自身が、その仕組みを使ってビジネスをしていきたいかどうか、ということです。
忘れられたら、それはそれでいい
以前の私は、見込み客との接点を持ち続けることも、売上につながる仕組みを整えることも、とても大切にしていました。
その必要性も、効果も、今でも理解しています。
でも最近、思うんです。
今の私は、そこまでして自分のビジネスを大きくしたいわけではない。
もちろん、仕事をやめたいわけではありません。
Webに関わる仕事はこれからも続けたいし、お困りごとがあればお手伝いしたい。
ただ、忘れられないために定期的に情報を届けたり、思い出してもらうための仕組みを運用し続けたり。
今は、そこに時間やエネルギーを使いたいとは思っていないんです。
忘れられたら、それはそれでいい。
必要なときに思い出していただけたら嬉しい。
もし思い出していただけなかったとしても、それはそれで自然なこと。
以前の私なら、こんなことは考えられなかったかもしれません。
でも今は、そんな距離感で仕事をしていきたいと思っています。
これはマーケティングの方法が正しいか、間違っているかという話ではありません。
クライアントにとって最適な方法を提案することと、私自身がどんなビジネスをしたいかは、別のこと。
今はそう考えています。
今朝のニュースに、背中を押された
実は、今回の決断には、今朝目にしたニュースにも背中を押されました。
2026年11月5日付の日本経済新聞で、不正アクセスのリスクを背景に、個人情報を「持たない」という選択をする企業について報じられていました。
そばチェーンの「ゆで太郎」は会員制度の廃止を決め、「焼肉きんぐ」を運営する企業でも、個人情報の取得を減らす取り組みが進められているそうです。
これまで企業にとって、顧客情報を集めることはマーケティングの基本的な考え方のひとつでした。
でも、その情報を保有するということは、守り続ける責任を持つということでもあります。
個人情報を集めることで得られるメリットと、保有し続けることによるリスク。
その両方を考えたうえで、あえて持たない選択をする。
そんな企業の動きを知り、私自身が考えていたこととも重なる部分があると感じました。
もしかすると、これからの時代は、個人情報をたくさん持っていることだけがビジネスの強みではなくなるのかもしれません。
必要な情報だけを扱い、必要なときにつながる。
そんな選択肢も、これから増えていくのではないでしょうか。
個人情報を持つことは、責任を持つこと
これまでメールマガジンでは、外部のメール配信サービスを利用して、登録者のメールアドレスを管理してきました。
自分のパソコンにすべての情報を保存しているわけではありません。
だからといって、情報をお預かりしていることに変わりはありません。
どれだけセキュリティ対策が行われていても、情報漏えいや不正アクセスのリスクを完全になくすことは難しいものです。
万が一のことで、これまでご登録くださった皆さまにご迷惑をおかけするようなことは、できる限り避けたい。
そして、改めて考えました。
情報をお届けするために、これだけ多くの方の連絡先を持ち続ける必要があるのだろうか。
もちろん、ビジネスの目的や規模によっては必要な仕組みです。
でも、今の私自身には、必ずしも必要ではない。
そう感じたことも、今回の決断につながりました。
集客導線を増やすことだけが、Web活用ではない
私はこれまで、Webを使ったビジネスの仕組みづくりを仕事にしてきました。
ホームページ、ブログ、LINE公式、メールマガジン、予約システム。
これらを組み合わせることで、お客様との接点をつくり、売上につながる導線を整えることができます。
だからこそ、仕組みをつくることの大切さはよく理解しています。
でも、便利だからといって、すべての仕組みを取り入れる必要はないんですよね。
仕組みが増えれば、管理するサービスや情報も増えていきます。
運用するための時間も、費用も、責任も伴います。
今の自分には何が必要で、何が必要ではないのか。
それを見極めることも、Web活用の大切な一歩だと思っています。
何を導入するかだけでなく、何を手放すか。
これからもクライアントには、それぞれの事業や目標に合わせて必要な仕組みを提案していきたいと思います。
これからは、ブログを育てていきたい
今、私が時間を使いたいと思っていること。
それは、ブログを書くことです。
最近、改めてブログを書く楽しさを感じています。
仕事を通して得た経験や、WebやAIに関する気づき。
そして、日々の暮らしの中で考えたこと。
そうしたことを、自分の言葉で残していきたい。
誰かに思い出してもらうために発信するのではなく、自分が書きたいと思ったことを書く。
そして、必要としている方が、必要なときに記事を見つけてくださったら嬉しい。
もちろん、ブログにもSEOやAEOなど、見つけていただくための工夫は必要です。
その工夫は、これからも続けていきたいと思っています。
ただ、見込み客リストを増やし続けることよりも、また読みたくなる記事を積み重ねることに、今は時間を使いたいんです。
忘れられないための発信より、また訪れたくなる場所づくりを。
これからは、そんな気持ちでブログを育てていきたいと思います。
1,000名以上のリストを手放すという選択
マーケティングの視点から見れば、1,000名以上の見込み客リストは大切な資産です。
それを積極的な集客に活用しないことは、もったいない選択なのかもしれません。
でも、今の私にとって大切なのは、できる限り売上を伸ばすことでも、忘れられないための仕組みを持ち続けることでもありません。
好きな仕事を続けながら、日々の暮らしも楽しむこと。
そして、自分が心地よいと思える形で、必要としてくださる方のお役に立つこと。
それが今の私の望むビジネスです。
なお、LINE公式は一斉配信を終了しますが、お問い合わせや個別のやり取りの窓口として残します。
今回手放すのは、見込み客リストを使って積極的に情報を届け続けるという運用の形です。
メールマガジンについては、配信終了後、登録者情報の整理・削除を進めていきます。
これからは、ブログを中心に発信し、更新情報はInstagramのストーリーズやハイライトでお知らせしていきます。
マーケティングの正解を知っているからといって、すべてを自分で実践しなければいけないわけではない。
その方法が有効だと知ったうえで、自分には今、必要ないと選ぶ。
そんな選択ができるようになったことも、私自身の変化なのだと思います。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
ERI