- 「起業に興味はあるけれど、何を仕事にしたらいいかわからない」
- 「自分には、売れるようなスキルがない気がする」
- 「何か新しいことを始めたいけれど、それが起業なのかもわからない」
個別セッションでも、このようなご相談をいただくことがあります。
特に、子育てや家庭を中心に過ごしてきた女性が、少しずつ自分の時間を持てるようになったとき、
「今度は、自分のために何か始めてみたい」
と思うことは、自然なことだと思います。
新しいことに挑戦したい。
家庭以外の場所にも、自分の居場所を持ちたい。
自分の経験を、誰かの役に立ててみたい。
その気持ちは、とても大切です。
ただし、起業を仕事にするためには、
自分が何をやりたいかだけではなく、誰をどのように幸せにするのか
を考える必要があります。
起業したいけれど何をしたらいいかわからないのは、珍しいことではない
最初から、
「私はこのサービスで、このお客様を支援します」
と明確に決まっている人ばかりではありません。
自分のこれまでの経験を振り返ったり、興味のあることを学んだり、人と話したりする中で、少しずつ方向性が見えてくる人もいます。
そのため、今すぐ答えが出ていないこと自体は問題ではありません。
ただ、
「起業すれば、新しい自分を見つけられるかもしれない」
「何か始めれば、やりたいことが分かるかもしれない」
という気持ちだけで、お客様からお金をいただく段階へ進むことには注意が必要です。
起業は、自分の可能性を試すためだけの活動ではないからです。
趣味と仕事の違いは、誰がお金を払うか
趣味や習い事では、自分がお金を払います。
新しいことを学ぶ。
できなかったことができるようになる。
人との出会いを楽しむ。
日常とは違う時間を持つ。
そこで何を得るかは、基本的に自分のためです。
一方で仕事は、相手からお金をいただきます。
お客様は、
- 「悩みを解決したい」
- 「今より良い状態になりたい」
- 「自分だけでは難しいから、力を借りたい」
という期待を持って、商品やサービスを選びます。
つまり、仕事にするなら必要なのは、
自分が楽しいかどうかだけではなく、お客様に価値を届けられるかどうか
です。
起業に必要なのは「資格」よりもサービススキル
「起業したいけれどスキルがない」と感じると、すぐに資格を探す方もいます。
もちろん、資格や専門知識が必要な仕事もあります。
ただ、資格を取ったからといって、必ず仕事になるわけではありません。
大切なのは、その知識や経験を使って、
- 誰の悩みに応えられるのか
- どのような変化を届けられるのか
- どのような方法で支援するのか
- お客様が安心して申し込める形にできるのか
を考えることです。
ここでは、それを「サービススキル」と呼びたいと思います。
サービススキルとは、単に何かができることではありません。
自分の知識や経験を、お客様に価値として届けられる状態にする力です。
「自分ができること」よりも先に、お客様を考える
起業を考えるとき、多くの人はまず、
「私には何ができるだろう」
と考えます。
もちろん、それも必要です。
ただ、自分の中だけを探し続けると、なかなか答えが見つからないことがあります。
そんなときは、問いを変えてみてください。
- どんな人の悩みが気になるのか
- どんな人を見ると、力になりたいと思うのか
- 自分が過去に乗り越えたことで、誰かに伝えられることはないか
- 周囲から、どんな相談を受けることが多いか
- 自分の経験によって、誰の負担を減らせるか
起業は、自分の中から商品をひねり出すことではありません。
目の前にいる人の困りごとと、自分が持っているものを結びつけることです。
起業に向いているかどうかは、最初から決まっていない
「自分は起業に向いているでしょうか」
と聞かれることもあります。
私は、行動力や性格だけで、向いているかどうかを判断するものではないと思っています。
起業では、思い通りにいかないことがたくさんあります。
- 発信しても反応がない。
- サービスを作っても申し込みがない。
- お客様の反応が、自分の想像と違う。
- やってみて初めて、足りないものに気づく。
そんなときに必要なのは、
- 起きたことを一度受け止める
- 自分に改善できることを考える
- 分からないことを教えてもらう
- お客様の声に耳を傾ける
- 必要なら方向を修正する
という姿勢です。
「自信がある人」が起業に向いているのではありません。
うまくいかないときにも、現実とお客様に向き合える人が、少しずつ事業を育てていけるのだと思います。
「そこまで稼ぎたいわけではない」と思う人へ
大きく稼ぎたいと思わなくても、起業はできます。
家族との時間を優先したい。
少ない日数で働きたい。
事業を大きくしすぎたくない。
そのような働き方も、もちろん可能です。
ただし、
「そこまで稼ぎたいわけではない」
という言葉が、自分の本音なのか、自分を守るための言葉なのかは、一度考えてみてください。
- 本当は挑戦したい。
- 自分の力を試してみたい。
- 誰かに必要とされる仕事をしたい。
でも、望んでできなかったら怖い。
そのため、最初から望みを小さく表現してしまうことがあります。
大きく稼ぐ必要はありません。
ただ、自分が本当は何を望んでいるのかまで、小さくする必要もありません。
自分の希望を認めたうえで、
「どのくらいの売上が必要なのか」
「どのくらいの時間を仕事に使えるのか」
「どのようなお客様を支えたいのか」
を具体的に考えることが大切です。
起業以外の選択肢が合うこともある
新しいことに挑戦したいからといって、必ずしも起業を選ぶ必要はありません。
- 習い事を始める
- 資格や技術を学ぶ
- ボランティアに参加する
- 誰かの事業をサポートする
- 業務委託やパートとして働く
- コミュニティに参加する
このような選択肢もあります。
起業することだけが、前進ではありません。
今の自分に必要な経験やスキルを身につけてから、改めて起業を考えても遅くありません。
むしろ、自分が何を通して人の役に立ちたいのかが明確になってから始めた方が、お客様にも自分にも、無理のない事業になります。
起業を始める前に考えたい5つの質問
起業に興味はあるけれど、まだ何を仕事にするか決まっていない方は、次の質問を考えてみてください。
1.私は、新しい経験をしたいのか、仕事を作りたいのか
自分の世界を広げたいのか、お客様から対価をいただく事業を作りたいのかを整理します。
2.誰のどんな悩みが気になるのか
最初から明確なペルソナを作る必要はありません。まずは、力になりたいと思う人を考えます。
3.その人に、どのような変化を届けたいのか
商品名やメニューよりも先に、お客様がどう変わるのかを考えます。
4.そのために、自分には何が足りないのか
知識、経験、技術、対話力、実績など、今後身につけるものを明確にします。
5.無料でも、その人のために動いてみたいと思えるか
お金になるかどうかだけではなく、その人や悩みに本当に関心を持てるかを確認します。
まとめ|きっかけは自分でいい。でも事業はお客様のためにある
起業に興味を持つきっかけは、自分のためで構いません。
新しいことに挑戦したい。
自分の可能性を試したい。
家庭以外にも、自分の居場所を持ちたい。
その思いは、大切なスタート地点です。
ただ、起業を事業として続けていくなら、視点を自分からお客様へ移す必要があります。
自分が何をやりたいのか。
何が得意なのか。
それだけではなく、
誰を、何によって幸せにしたいのか。
ここが明確になって初めて、サービスの土台が生まれます。
起業は、自分の可能性を試すための習い事ではありません。
お客様から対価をいただき、その人のために価値を届ける仕事です。
今すぐ答えが出なくても大丈夫です。
無理に起業の形を作るのではなく、まずは自分が深めたいことと、力になりたい相手を見つけるところから始めてみてください。
FAQ
起業したいけれど、何をしたらいいかわかりません
まず商品を作るのではなく、どんな人のどんな悩みに関心があるかを考えましょう。そのうえで、自分の経験や今後身につけたいスキルを結びつけます。
起業するには資格が必要ですか
資格が必要な業種もありますが、すべての起業に資格が必要なわけではありません。資格よりも、お客様にどのような価値や変化を届けられるかが重要です。
趣味を仕事にするには何が必要ですか
自分が楽しめることに加えて、お客様が求める価値に変換する必要があります。誰のどんな悩みを解決するのか、対価をいただける形にできるのかを考えます。
主婦が起業を始めるとき、最初に何をすればいいですか
使える時間、必要な収入、提供したい相手、自分が持っている経験を整理しましょう。すぐに商品を作るより、まずは実際の人と話し、悩みや需要を知ることが大切です。
起業に向いている人の特徴は何ですか
すべてを最初からできる人ではなく、うまくいかないときに現実を受け止め、学び、改善し、お客様に向き合える人です。