今日、2件の個別セッションがありました。お二人の相談内容も、今いるビジネスの段階も違います。
でも、話を聞いていく中で、共通して見えてきたことがありました。
それは、仕事がないことに悩んでいるのではなく、むしろ仕事が増えてきたからこそ、これからの働き方を一度立ち止まって考える時期に来ている、ということでした。
- 仕事が来る。
- お客様から必要としていただける。
- 「お願いしたいです」と言っていただける。
起業したばかりの頃は、それが本当に嬉しいんですよね。
- 自分にもできることがある。
- 社会から求められている。
- 目の前のお客様に喜んでいただける。
その嬉しさと自信が、「もっと頑張りたい」という気持ちにつながっていきます。
だから、頼まれた仕事を引き受ける。
自分にできそうなことなら、やってみる。
お世話になった方からの依頼なら、なんとか応えたいと思う。
そうやって一つずつ積み重ねた結果、気づいたら仕事で予定が埋まり、頭の中もずっと仕事でいっぱいになっている。
仕事はある。
売上もゼロではない。
お客様からも感謝されている。
楽しくないわけでもない。
だけど、疲れている。
そんな状態になることがあります。
仕事が増えたら、次は「手放す」が必要になる
今日のセッションでもお伝えしたのですが、これは決して悪い状態ではありません。
ビジネスが動き始めたからこそ、次の段階が見えてきたということです。
最初は、
「私に仕事をお願いしてくれる人はいるのだろうか」
「本当にこれで収入になるのだろうか」
という不安があります。
そこを越えると、今度は求められることが嬉しくなり、たくさんの仕事を抱えるようになります。
そして、その次に来るのが「手放す」という段階です。
何でもできる人ほど、いろいろな仕事が来ます。
人とのつながりがある人ほど、自分が本当にやりたい仕事とは違うところからも相談が来ます。
そのため、暇ではないのに、自分が育てたいビジネスはなかなか育たない、ということが起こります。
目の前の仕事には追われている。
でも、
「私は本当は、何の仕事をしたかったのだろう」
「自分の商品やサービスをつくる時間は、いつ取るのだろう」
という違和感が少しずつ大きくなっていくのです。
すべてを同じ熱量で続けることはできません。
だからこそ、
- 何を残すのか。
- 何で利益を生むのか。
- 何に自分の時間を使いたいのか。
優先順位を決める必要があります。
安定につながっている仕事まで、勢いで手放す必要はありません。
ただ、稼働時間と単価が合っていない仕事や、これからの自分が望む方向とは違う仕事を、ずっと抱え続けなくてもいい。
手放すことは、お客様を大切にしないことではありません。
一つの仕事を手放すことで、もっと自分にしかできない仕事をつくれることもあります。
そして、余白ができたからこそ、今まで以上に目の前のお客様に向き合えることもあります。
私も、数字を追いかけ続けていた時期がありました
私自身も以前は、売上が伸びることが楽しくて仕方がありませんでした。
法人化し、事務所を借り、年商3,000万円を超えた頃。
周りからも「次は5,000万円だね」と言われ、私も本気でその数字を目指していました。
ビジネスが大きくなることが、周りの方に夢を見せることだと思っていたからです。
でも、事務所を借りたことで、私はほとんど家にいなくなりました。
本当は家で「行ってらっしゃい」や「おかえり」を言える働き方がしたかったはずなのに、気づけば家にいない。
夫が単身赴任先から帰ってくる週末も、娘を夫にお願いして、私は事務所へ向かっていました。
ある日曜日、事務所でYouTubeの撮影を終え、パソコンの電源を落としました。
誰もいないオフィスに、空調の音だけが残りました。
その瞬間、急に涙が出てきたんです。
家には、娘も夫も犬もいる。
夫はまた単身赴任先へ戻ってしまう。
それなのに、どうして私はここにいるのだろう。
家族を大切にするために始めた仕事なのに、私は何一つ家族を大切にできていなかった。
そのことに、ようやく気づきました。
そこから事務所を手放し、働き方も大きく変えました。
周りからは「もったいない」「もっとできるのに」と言われました。
でも、私の中ではクリアでした。
私が望んでいたのは、売上だけが増え続ける人生ではなかったからです。
起業の世界には、天井がない
起業すると、収入にもお客様の数にも天井がありません。
ゼロになる可能性がある一方で、1億円を目指すこともできます。
だから夢があります。
もっと挑戦したい、もっと大きくしたいという価値観を、私は否定しません。
私自身も、本気で数字を追いかけた時期があるからです。
ただ、天井がない世界だからこそ、自分で「どこまで」を決めなければ、終わりもありません。
お子さんが小さい時期は、今しかありません。
家族で週末を過ごせる時間も、一緒に眠れる時間も、永遠に続くものではありません。
自分のために街へ出かけたり、運動したり、何もせず昼寝をしたりする時間も、大切な人生の一部です。
その時間をすべて仕事に使うことが、今の自分にとって本当に正しいのか。
一度は、自分に問いかけてほしいと思っています。
そのうえで、
「今はどうしても頑張りたい」
「ここまでは稼ぎたい」
「今の私には、この仕事が必要」
と思うのであれば、その価値観に忠実に働けばいい。
大切なのは、周りの基準ではなく、自分で選んでいることです。
まず余白をつくり、それから収入を上げる
私がコンサルで大切にしているのは、時間的自由と経済的自由の両方を手に入れることです。
時間に追われ、夜も週末も働いているのに、収入はなかなか増えない。
その状態から抜け出すために、最初にするのは仕事を増やすことではありません。
まず、手放します。
一日が難しければ半日でもいい。
パソコンを閉じる時間をつくる。
昼寝をする。
街へ出る。
ヨガやダンスに行く。
家族と映画を見る。
自分の頭と心を、仕事から一度離す時間をつくります。
余白ができて、初めて自分に向き合えます。
自分に向き合えるようになると、お客様にも深く向き合えるようになります。
そこから、自分の価値を上げ、サービスの質を上げ、単価や収入を上げていく。
私は、この順番が大切だと思っています。
がむしゃらに働いた結果として収入を上げるのではなく、余白のある中で、今まで以上の価値を生み出せる働き方をつくる。
すると、いつか、
「あんなに忙しくしていた頃より、今の方が時間があるのに、売上は上がっている」
という段階に進めます。
あなたは、5年後も今の働き方を続けたいですか?
仕事が来ていること。
お客様から必要としていただけること。
収入を得られること。
どれも当たり前ではありません。
だからこそ、まずはその幸せを受け取ってほしいと思います。
そのうえで、少し疲れている自分や、心の中に生まれた違和感を、忙しさでスルーしないでほしいのです。
一年後、三年後、五年後。
どんな働き方をしていたいですか。
どんな毎日を送りたいですか。
誰との時間を大切にしたいですか。
自分のために、どんな時間を残しておきたいですか。
そして、その毎日を実現するために、今の自分は何を残し、何を手放す必要があるのでしょうか。
ビジネスの目的は、がむしゃらに稼ぎ続けることではありません。
自分が望む人生を送るために、必要な利益を生み出すこと。
家族との時間も、自分の時間も大切にしながら、目の前のお客様に価値を届けること。
私は、そんな働き方を選ぶ女性を、これからも増やしていきたいと思っています。